取組みの始まり(2013年1月~7月)
この取組みを始めたのは、まだ幼い子どもを持つ母親です。
取組みのきっかけは、祖母から戦争体験と戦争は絶対にしてはいけないと言い聞かされて育ったことと、大学時代、留学していたオーストラリアで、多くの難民の方たちと出会ったことです。小さい時に、学校で襲撃され、友人も殺され、難民キャンプで1人で生きてきた友人。言葉で語れない悲惨な思いをした女性たち。戦争に巻き込まれる悲惨さと、武器が蔓延し、犯罪に怯えながら生きなければいけない恐怖。戦争は一度始まってしまったら、止めようと思っても止められるものではないという事実を痛感し、自分の環境との違いに衝撃を受けました。また帰国後結婚して子どもが生まれ、「戦争になったら子どもが泣く。世界中の子どもたちを守るため、戦争をしたくない」との思いを強くしました。
2013年1月、戦争をしない憲法9条を日本で守り、世界に広げるため、「憲法9条にノーベル平和賞を授与してください」というメールを一人でノルウェー・ノーベル委員会に送り始めました。
5月にはノルウェー・ノーベル委員会宛にネット署名を立ち上げました。対象ははじめ「憲法9条」でしたが、ノーベル委員会からの返信で「ノーベル平和賞は個人か団体に贈られるもので、憲法は対象にならない。推薦人が必要で、2013年度は推薦状が出ていない」と知り、「憲法9条を保持している日本国民」としてネット署名を再度立ち上げ、推薦人を募り始めました。
2014年度の取組み(2013年8月~2014年10月)
2013年、8月、地元の3つの9条の会に協力を呼びかけ、有志による実行委員会が発足。①紙面とネットによる署名活動と②推薦依頼活動を行ってきました。2014年度は、外国籍の方3名を含む、1グループ13個人(計43名)の大学教授らが推薦人として立ってくださり、推薦締切である2月1日までに推薦状と推薦状の参考資料として、計24,887筆の署名をノルウェー・ノーベル委員会へ送りました。
2014年4月9日、ノルウェー・ノーベル委員会より、推薦が有効であることを示す受理通知が届きました。「日本国民」が団体として認められ、「憲法9条を保持している日本国民」が正式にノーベル平和賞候補になりました。正式に候補となってから、国内そして海外のメデイアが取りあげてくれました。ネット署名も英語版、韓国語版、中国語版を立ち上げました。
5月には、衆参国会議員有志60名の皆さんが、党派を超えて、ノルウェー・ノーベル委員会と駐日ノルウェー王国大使館に、「ノーベル平和賞の授与を陳情する文書」を提出されました。7月1日、政府は国民の声を無視して、集団的自衛権行使の閣議決定をしましたが、その前後から、寄せられる署名数は大幅に増加しました。
8月15日には、受賞対象を「日本国憲法を67年以上もの間堅持し続けている日本のすべての人々」とした上で、具体的には「憲法9条にノーベル平和賞を」の取組みが、マレーシアのマラヤ第二次世界大戦歴史研究会の第一回「アジア平和賞」を受賞しました。「戦争体験を厳しく総括して、戦後の平和主義国家日本の姿勢をどこまでも守り通すことで、アジアの近隣諸国をはじめ、世界からの信頼をより確実なものにしたいと努力を重ねている日本の草の根の市民に、心から共感と声援を送る」との受賞理由に心から感謝します。
9月、2月以降寄せられた330,182筆の紙面署名の実物を段ボール11箱にて送付し、さらに10月10日に2014年度の最終集約数、442,443筆を伝えました。2014年度の受賞はなりませんでしたが、わたしたちは主権者として、解釈改憲は憲法違反であり、憲法9条は変わっていないと考え、2015年度も取組みを続けています。
2015年度の取組み(2014年11月~)
新たにフランス語とスペイン語のネット署名を立ち上げ、署名100万人を目指しています。さらに、実行委員会では、憲法9 条の精神を世界中に広げるために、国連加盟国の代表者宛に、新しいネット署名「いかなる理由があろうとも戦争はしないでください。話し合いで平和的に解決してください。仲裁に努めてください。」を立ち上げました。
また、12月には「憲法9条にノーベル平和賞を」の取組みが、韓国の江原道と江原日報社が主催する「DMZ(非武装地帯)平和賞2014年特別賞」を受賞しました。韓国からの応援を心から感謝します。
2015年度の推薦締め切りである2月1日までに、今年度は、はじめて超党派国会議員61名の皆さんが推薦人となってくださり、連名の推薦状が提出されました。また大学教授や過去のノーベル平和賞受賞者23名も推薦状を提出され、今年度は合計84名の方々が推薦人として立ってくださいました。 コスタリカ国会も全会一致で両国民をノーベル平和賞候補として推薦されたそうです。
実行委員会はこのように2015年度も受賞対象を「日本国民」として取組みを進めておりますが、142名の韓国の国会議員、韓国の識者50名のグループ、さらには国内外の推薦資格者が9条に関連する候補を推薦されたとの情報に接し、心から喜び、連帯のエールを送ります。受賞するのが誰であっても、9条に光が当たり、世界で共有されることがわたしたちの願いです。
2015年5月、各党党首宛て、「戦争法案」の審議入りに抗議し、廃案を強く要請します。」のネット署名を立ち上げました。また、世界中の人々の平和を願い、「平和への権利国際キャンペーン」を応援しています。
6月、推薦人の先生方、超党派国会議員の皆さんの推薦状に対し、ノルウェー・ノーベル委員会より受理通知が届き、2015年度も「憲法9条を保持している日本国民」がノーベル平和賞候補としてノミネートされました。
7月14日現在、署名数は54万2590筆に達しています。
憲法違反の「安保関連法案」を阻止し、日本国民みんなでノーベル平和賞を受賞して、さらに世界中に憲法9条を輝かせることを願っています。
【ネット署名】一覧
① 世界各国に平和憲法を広めるために、日本国憲法、特に第9条、を保持している日本国民にノーベル
② 「戦争法案」の審議入りに抗議し、廃案を強く要請します。
③ 世界各国リーダー宛: いかなる理由があろうとも戦争はしないでください。話し合いで平和的に