映画『コスタリカの奇跡』を
シェアする会を始めました☆
そんなところに、当実行委員会のニュースのコスタリカの記事を読んだ上原温子さんから、「この映画をシェアする会を一緒にやりませんか」とお声かけをいただき、実際に立ち上がったのです。
「シェアする会」のポイントは、ただ映画を観るだけでなく、観た後に、一人ひとりの感想や思いを話してもらい、それを他の人はじっくり聴くというところです。「対話」とは、意見を戦わせて相手をやりこめることではなくて、お互いの話をじっくり聴き合い、よりよい考えを導き出すことだと思います。
今、日本でも6人に1人が相対的貧困に置かれています。コスタリカに学び、ただ「戦争がない状態」だけではなく、「戦争の原因となる格差や貧困なども無い状態」を指す「積極的平和」の方向に舵を切り、日本でも「奇跡」を起こすためには、市民一人ひとりが対話する力を身につけていく必要があると思っています!
この会は、来年の1月までの1年間上映権を借り、神奈川県相模原市の3か所にて、何回も行います。この映画を観たことをきっかけに、「武器輸出のことについて学びたい」など、新しい学習会の企画も持ち上がっています。 みなさんの町でも、「シェアする会」をやってみませんか? (羽生田)
◆映画『コスタリカの奇跡』のこと
日本国憲法が国会で採択されたのが1947年です。それから2年後の1949年にコスタリカが常備軍を廃止する平和憲法を持ちました。
第二次世界大戦で日本は周辺諸国を侵略し2000万人を超える犠牲者を出し、国内においても310万人を超える犠牲者を出しました。戦争の悲惨さを痛感した当時の首相幣原喜重郎がマッカーサーに相談し、日本国憲法に第9条の「戦争の放棄、不戦の誓い」の項目を入れたと言われます。(雑誌「世界」2018年6月号、笠原十九司論文)
コスタリカも内戦による悲惨な体験に学び、日本と同様の平和憲法を定め、軍事費を教育費や福祉に回し、「兵士の数だけ教員を」を合言葉に国づくりを始めたと言います。(伊藤千尋著「活憲の時代」〜コスタリカから9条へ〜シネ・フロント社発行)
コスタリカは今では世界でも民衆の暮らしが安定した、国民の識字率の高い国の一つに挙げられています。しかし、その道は平坦ではありませんでした。そして今でも貧富の差を生み出し、平和国家を崩そうとする勢力がないわけではありません。平和憲法を持てば安心なのではありません。平和憲法を活かす工夫と努力が必要なのです。映画『コスタリカの奇跡』は様々な困難を乗り超えてきたコスタリカの歴史と平和憲法、それを活かし続ける人々の姿を丁寧に描いた作品です。ですからある意味盛り沢山なのです。一度見ただけではちょっと消化しきれないかもしれません。これは平和国家建設の教科書的な作品です。2度3度と見て学ぶ意義は大いにあります。
日本は同様の平和憲法を持ちながらどうして再び戦争を起こしかねない危険な国になってしまったのでしょう。この映画を見て「日米安保条約」のことやいろいろなことが改めて考えさせられます。(石垣)