2019年9月5日木曜日

【安保法制違憲訴訟・横浜地裁】

いよいよ重要な局面に差し掛かって来た。

9月5日(木)11時に横浜地裁で行われた「安保法制違憲訴訟」の第10回口頭弁論を傍聴した。この日は10月31日に行われる尋問の原告と証人を決定するということだった。弁護側から配られた資料を読みながら聞いていた。裁判長と弁護士の間で真剣なやりとりが行われていたが、私にはよく分からなかった。


終了後、11時45分から「波止場会館」で裁判報告集会が開かれた。ここで次回この裁判で尋問される原告と証人の重要性がわかった。原告で証人に決まった一人に金子富貴男氏がいた。爆音被害の訴訟で原告団長もした方で私も知っている人だ。憲法違反の「安保法制」が強行採決されて、これが施行されるようになり、相模原や横須賀の基地がどのように変わり、変えられて来ているかを証言するようだ。

私はすでに映画「沖縄スパイ戦史」や全国的に強化されて来ている基地の状況から危機感を深めている。先の戦争では日本は沖縄を捨て石にしたが、今は日本全体がアメリカの捨て石にされようとしている。そのことを安倍首相は本当に分かっているのだろうかと危惧している。知った上でアメリカの言いなりになっているとしたらことは重大だ。

話を戻すと、証人の人選をめぐる裁判所側との調整はなかなか緊張をはらんでいる。例えば志田陽子(憲法学)、半田滋(東京新聞論説兼編集委員)、宮崎礼壹(元内閣法制局長官)氏はすでに前橋地裁で証人尋問が実施されている。横浜でも同じ人間の証言は不要ではないかと裁判所側は言う。それに対し弁護側は同じ人間ではあるが、限られて時間内での証言は限られていることから、その必要性を主張する。より詳細な証言が裁判の記録として残ることが重要なのだと思った。これを知ったことも今回の収穫だった。

今回裁判所に提出した膨大な提出書証(弁護士さん達の労苦の結晶)の説明や全国で展開されいる「安保法制違憲訴訟」の状況についての説明もあった。今回の裁判で最も重要な点は先ほども触れたが、「安保法制」が施行されて以後の戦争への準備態勢が急速に進んでいることを国民の前に可視化することにあるのだった。

地裁から高裁に移っている東京や札幌の例。東京でも「女の会訴訟」や「国賠事件」もある。前橋地裁は年内結審の予定。釧路地裁、大阪地裁もあり全国で広範に戦われている。現職自衛官の原告訴訟は最高裁で差し戻し判決が出て、現在も闘われている。

こうした一連の闘いの中で次回横浜地裁が山場を迎える。一人でも多くの傍聴支援をお願いしたい。

次回横浜地裁10月31日は午前中11時から始まります。午後は13時30分から16時迄です。詳しくは後日連絡があるということだった。(石垣義昭記)