2014年11月20日木曜日

「憲法9条」が世界で共有される日をめざして


~私たちの決意~


   
私たちが願っていた「憲法9条を保持してきた日本国民」の受賞は成りませんでしたが、私たちの運動が世界の注目を集め、もう一歩の所まで来たことも確かです。百名を超える記者とカメラの前でノーベル委員会の発表を見ながら、署名を寄せてくださった44万筆を越える方々、日本国憲法9条に思いを寄せ、これを保持することに誇りを持つ方々とそのことをしっかり共有し、確認したいと思いました。

 ダイナマイトを発明したノーベルは「ノーベル平和賞」を創設しました。人類の進歩と世界の平和を願ったのです。
一方 「日本国憲法」は第二次世界大戦におけるアジア地域などへの加害とヒロシマ・ナガサキに象徴される悲劇に学び、悲惨な戦争の歴史の深い悲しみの上に生まれたものです。「憲法9条」には、もう二度と戦争は繰り返すまいという決意が込められています。しかし、戦後70年近い時を経て、日本国民は日々の暮らしをその憲法に守られながら、私たちの命を支える水や空気の大切さをつい忘れてしまうように「憲法9条」の大切さを忘れているように思います。今、改めて見直してみると「日本国憲法」には実に深い人類の歴史と智恵が刻まれています。松尾芭蕉の言う「不易流行」の「不易」の部分、つまり人類普遍の原理が日本国憲法、とりわけその9条に込められているのです。そして私たちは気がつくのです。その9条の「不戦の誓い」が徐々に崩されて来ていることに。 

  この71日、安倍内閣は「日本国憲法」の崇高な理想を「集団的自衛権の行使容認」の閣議決定によって大きく切り崩しました。法治国家を口にする安倍首相は自ら重大な憲法違反を犯していることに気づいているのでしょうか?これは国民の運命を危うくする重大な犯罪行為です。作詞家のなかにし礼さんがその詩「若者よ戦場へ行くな」の中で、「こんな憲法違反にたいして最高裁はなんの文句も言わない」と書いています。安倍内閣は憲法改正の正しい手続きを踏まえないまま、「壊憲」に突き進み、日本が戦争の出来る国にしようとしています。

   しかし、まだ、今現在、日本国憲法は健在です。国民は日本国憲法によって安倍内閣の憲法違反に「あらゆる民主的な方法」によって抵抗しなければなりません。そうしなければ日本は再び悲惨な戦火に巻き込まれることになるのです。安倍内閣の「壊憲」から日本国民が日本国憲法を守り切った時、「日本国民」はノーベル平和賞に値することになるのかもしれないと思いました。ノルウェーのノーベル委員会は今年度の受賞者を命がけで女性と子どもの人権向上に向けて戦うお二人を選ぶことによって日本国民にそのことを示そうとしたのかもしれません。

  今この一年の運動を振り返り、私たちは今回の運動を通して新たな地平に立っていることに気がつきます。世界は深い混迷の中にあります。世界中の富が一部の人に集中し、多くの人が貧困に苦しんでいます。多発する紛争の中で憎悪が憎悪を生み出しています。人類はこの貧富の格差と憎悪の連鎖をどのようにして乗り越えるのでしょうか?ノーベル委員会も模索しているのかもしれません。
  世界中の紛争を無くしたい、世界中の貧困をなくしたい、世界中の人が抑圧と差別から解放され、人が人として尊重される社会を実現したいという崇高な理念に立つ「日本国憲法」。特に、戦争の放棄、戦力不保持、交戦権の否認を明確に定めた、憲法9条を世界各国に広める事が、問題の悪化を堰き止め、問題解決の対話へと結びつけるのではないでしょうか。

  毎年ノーベル平和賞の推薦の受付が91日から始まり、21日に締め切られます。賛同署名は、10月の受賞発表直前まで募ります。私たち実行委員会も心新たに2015年度の「70年近く憲法9条を保持している日本国民にノーベル平和賞を」の運動に取り組みます。
  「憲法9条」が世界で共有される日を目指して、署名100 万筆を目指します。


20141011日「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会