「憲法9条を保持している日本国民」は2015年度も正式にノーベル平和賞候補として登録されました。
今年、実行委員会では指定分野の大学教授の先生方23名と超党派で衆参国会議員61名、合計84名の方が推薦してくださいました。「ノーベル平和賞」受賞により、日本国憲法の平和主義、特に世界中のすべての人たちが平和のうちに生存する権利(平和的生存権)を認め、徹底した戦争の放棄を定める「憲法9条」の素晴らしさが、世界的に称賛され、さらに世界中に知れ渡る希望があります。
今、私たち1人ひとりが世界の平和を願い、力を合わせて憲法破壊の危機的状況を克服し、その素晴らしさをどれだけ広められるかにかかっています。
一方、安倍内閣の「安保関連法案」はすでに多くの憲法学者が指摘するように「日本国憲法」違反であり、戦後の民主主義を根底から覆すものです。辺野古の基地建設においても、沖縄県民の反対の声に耳を傾けることなく、先の選挙による県民の再三の意思表示を汲むこともなく、軍事基地建設を一方的に押し進めています。これは原子力発電の再稼働問題にも言えることです。多くの国民世論に全く耳を貸そうとしていません。福島の原発事故によって先祖代々守り暮らしてきた人々がその大切な土地に住めない状態を作りながら、人も住めない無人島を巡って隣国との緊張を高め、国民の不安を掻き立てています。
安倍内閣は集団的自衛権の行使容認の閣議決定と一連の「安保関連法案」を直ちに撤回すべきです。
日本国民は今こそ安倍内閣の目指す戦争のできる国づくり(自民党憲法改正草案・平成24年4月決定)の危険性に目覚め、そして「立憲主義と平和主義」に立つ「日本国憲法」の意義を改めて確認し、これを守り、世界に広める時です。
今や憲法9条をノーベル平和賞に推す動きは世界中に広がり始めています。
今年度はコスタリカ国会も、特別議会において、「平和憲法を長年にわたって保持してきた日本とコスタリカの両国民」をノーベル平和賞に推薦し、満場一致で採択されました。また、長年護憲運動を続けている「9条の会」が韓国の元国会議員や宗教者ら有識者50名のグループに加えて、韓国の国会議員142名からも推薦されているほか、護憲の個人・団体が多数、国内外から推薦されました。昨年、実行委員会は「アジア平和賞」と「DMZ平和賞」を受賞しています。
「平和学」の父とされる政治学者ヨハン・ガルトゥング氏 は、戦争のない状態を「消極的平和」と定義し、その上で、貧困や差別や疾病を克服し、福祉や文化や人々の安全な暮らしなどが保障される状態を「積極的平和」と定義しているのです。安倍首相のいう積極的平和主義ではなく、日本国憲法、取り分けその前文と9条に込められた「全世界の国民の平和的生存権」を認め、非暴力に徹する「不戦の誓い」こそ、真の「平和主義」と呼ばれるべきものです。今、国連において、この「平和的生存権」を個人の『平和への権利』として国際人権法にしようと話合われています。
私たちは訴えます。
みんなで真の平和主義に立つ日本国憲法をこの機会に読み直し、1人ひとりが主権者として、非暴力に徹して世界に先駆け世界の平和を実現させようではありませんか。
憲法破壊を阻止し非暴力の理想を政治に反映するためにも、あらゆる違いを超えて憲法9条を守り、活かす人をこそ地方議会に、そして国会に送り出しましょう。
憲法違反の「安保関連法案」を阻止し、日本国民みんなでノーベル平和賞を受賞して、さらに世界中に憲法9条を輝かせましょう。
2015年 6 月 10 日 「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会