2018年10月5日、2018年度のノーベル平和賞が発表され、 アフリカ中部コンゴ(旧ザイール)で被害女性の治療に尽くしてきた男性産婦人科医デニ・ムクウェゲ氏と、過激派組織「イスラム国」(IS)に拘束された際の体験を語り、性暴力根絶を目指して活動するイラク人女性ナディア・ムラド氏が受賞されました。
性暴力の実態を知れば知るほど、その残虐さに悲しみで体が震えます。激しい迫害に遭いながらも、戦争や紛争の犠牲となり性暴力で傷ついた女性や子供たちに寄り添い治療し、また性暴力根絶のために勇気をもって立ち上がってくださっているお二人の存在と働き、そして勇気ある発言がどれほど世界中の女性や子どもたちの救いになっているか計り知れません。
そして、今回のムクウェゲ氏とムラド氏のノーベル平和賞受賞は、戦争や紛争の本当に惨い実態を世界中に知らしめ、戦争や紛争の被害の中でも泣き寝入りさせられもっとも表に出にくい女性への性暴力に光を当て、世界中の人が性暴力、ひいてはその原因である戦争や紛争の根絶のために立ち上がる大きな機会を与えてくれたと思います。
「憲法9条にノーベル平和賞を」の取り組みの原点には、海外での戦争や紛争による被害の実相を聴き、衝撃を受けたという経験があります。
多くの人たちを恐怖に陥れる戦争を禁止する日本の憲法9条を護り、活かし、広めていくことは、世界中の人たちが平和のうちに安心して生きていくために必要だと改めて強く実感しました。
被害女性や子どもたちの心身の回復を心から願い、性暴力をはじめあらゆる人権侵害の根絶と、また性暴力を生み出す戦争や紛争の根絶のためにここ日本からも共に立ち上がりたいと強く思います。
共に平和を願い、話し合いによる平和的解決を求めていきましょう。
2018年10月9日