2019年12月25日水曜日

〜映画『沖縄スパイ戦史』上映会〜

映画「沖縄スパイ戦史」を観る会に当実行委員会も加わり、8月28日(水)に上映会を行ない、3回上映で561人の方に観ていただくことができました。この映画は、沖縄戦においてこれまで語られなかった陸軍中野学校の「秘密戦」について、貴重な証言と資料をもとに描き出されていて、軍隊は自国民を守るどころか利用し、疑い、殺害するということ、住民同士もお互いを死に追いやっていったこと、そしてそれは日本軍の戦闘方針の産物であったこと、更に、その体質は、今現在の自衛隊の行動規範に連なっていることがわかるものです。
実行委員会ニュースNo.20を発行した後に、石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会会員の方から、「(沖縄については辺野古のことだけでなく)南西諸島自衛隊配備についても取り上げてください」とご連絡をいただきました。沖縄戦を忘れ去り、「自衛のため」という言葉に誤魔化され、ものすごい勢いで島々が要塞化されていることを見過ごすわけにはいきませんね。
みなさんもぜひ、「緊急!石垣島にミサイル基地はいらない! 南の楽園を守るため配備の中止を求めます!」のネット署名で意思表明をしてください。http://bit.do/fmFRi 
また、同じ過ちを繰り返すことがないよう、戦争の実態を知るために、映画『スパイ戦史』の市民上映会を行なうこともご提案します。「お国のために」誰かを犠牲にするのではなく、「一人ひとりを大切にする」世界をみんなで創っていきましょう。(羽生田友貴)
【お問い合わせ・申込み】合同会社 東風 http://www.tongpoo-films.jp/ 
E-mail. info@tongpoo-films.jp TEL. 03-5919-1542 (平日11時〜18時) 

中村哲さんの死を悼む



    石 垣 義 昭


中村哲さんはアフガニスタンの極めて複雑な政治的情勢の下にあって、命の危険に身をさらしながら用水路の建設に取り組んできた。ペシャワール会のメンバーの一人、伊藤和也さんが武装集団に殺害された時(2008年)、日本人スタッフをすべて帰し、仲間を失った痛恨の哀しみを胸に自分一人残ってアフガンの人と力を合わせてきた。その中村哲さんが銃弾に倒れた。
佐高信氏は中村哲さんを悼む文章の冒頭で「日本国憲法が撃たれた」の見出しを掲げ、次のように書いている。
《中村さんはいつも、自衛隊派遣が自分たちの活動を邪魔していると言っていた。アフガニスタンで井戸を掘り、用水路を拓くことで築いた信頼関係が、自衛隊の派遣で崩されるからだ。私は、そんな中村さんを、「歩く日本国憲法」と言っていた。平和憲法の下でこそ、日本人であることが安全保障になるからだ。その日本国憲法が撃たれた今、なおさら「平和憲法」が必要だと強く思う。》
この指摘は核心をついている。医者としてアフガニスタンに渡った(1984年)中村哲さんは、干ばつに苦しむ人びとを目の当たりにした。そして、医者以上に水を必要としている人びとの現実を知った。そこでは井戸を掘ることが急務だった。しかし、アフガニスタンの干ばつの激しさは、千数百の井戸を掘っても追いつかない厳しいものだった。そこで、雪解け水が豊富に流れる川の水を誘導する、用水路を拓くことを思いつく。しかし、これも一筋縄ではいかない難事業だった。
投入する石が流されてしまう失敗を、幾度も重ねながらアフガンの人々との共同の作業が続いた。故郷の人が築いた昔の堤防の技術に学び、現地の人の石積みの技術を生かし、彼の志を後押しするペシャワール会に支えられて、用水路を少しずつ延ばしていった。用水路のそばには、街路樹が育ち、その周りに緑の大地が生まれた。農作業が可能になった。その大地に、干ばつに追われた農民たちが徐々に帰ってきた。3年前のNHKの報道でその数は65万人と聞いた。
アフガンの大地に再び畑が作られ、人々の暮らしが再建され始めたのだ。学校が作られ、イスラムの教会(モスク)が作られた。人々の心をつなぐ中村哲さんの努力は確実に実を結んでいった。そのリアルタイムの映像と経過を帰国する度に日本の各地で報告した。集まった人たちに支援を訴え、ペシャワール会へのカンパを募った。募金は私が報告を聞いた数年前で30億円に達していた。まさに彼の志に共感する人びとの浄財であった。
日本国憲法の前文に「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の裡に生存する権利を有することを確認する。」とある。中村哲さんはこの理念を実践していたのだった。彼は「目の前に困っている人がいれば、誰でもどうしたのですか」と声を掛けるでしょうと言っている。これは日本国憲法の精神である。しかし、その逆を行く人もいる。日本の軍事費は今年5,3兆円に達している。トランプ氏はもっと増額せよと言っている。武力にしか頼れないこういう人たちの心が中村哲さんを銃弾にさらしたのである。私はそう思っている。  
                 

2019年11月3日日曜日

第二回、安保法制違憲訴訟の署名 6982筆 を横浜地裁に提出しました!

2019年10月30日、原告本人・証人尋問の後、署名(紙署名4337筆+ネット署名2645筆=合計6982筆)を横浜地裁に提出しました!! 岡田弁護士をはじめ、東京、山梨、宮崎などから裁判の傍聴に来られていた皆様も提出にご一緒してくださいました。賑やかに署名をお渡しできてよかったです。
引き続き、署名を集めていますので、ご協力お願いいたします。


横浜地裁前で、記念写真! その時の動画はこちらです↓
https://youtu.be/Z-HRgkiI0Jk

事務所で、受領印を押していただきました。


裁判の後、波止場会館で行われた集会の様子です。証人に立たれた皆様から発言の要旨をお聞きしました。良い結果が出ますように★


2019年10月31日木曜日

10月31日横浜地裁に署名提出に向けて準備できました!

たくさんの皆様のご協力ありがとうございます。
明日の署名提出に向けて、署名を束ねました。
どうか、憲法に則った判決が出ますように願いつつ。



2019年10月29日火曜日

10月11日パブリックビューイングのご報告

このたびの台風19号の被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
被災された皆様が、一日も早く平常の生活に戻ることができますようお祈り申し上げます。

10月11日(金)、2019年度のノーベル平和賞受賞者の発表当日。
台風19号が近づいてきていたので、関係者に連絡して2部の交流会は中止し小規模のパブリックビューイングにいたしました。韓国から尹先生もご参加下さり、これから市民同士がつながり、共に頑張りましょう!と大きな励ましをくださいました。
その後、エチオピアのアビー首相の受賞を皆でお祝いし、これからも、世界平和を願い、今年も憲法9条を守り、活かし、広めるために頑張ろうと皆で決意しました。

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韓国と実行委員会

 私たちが日本国「憲法9条にノーベル平和賞を」の運動を始めてから6年になります。この願いは受賞を期待しつつ、憲法擁護の世論を盛り上げて、戦争のできる国づくりの改憲策動を阻むことを真の狙いとしています。それは同時に、世界から戦争をなくそうという願いも込めています。それ故に多くの方々の賛同があり、協力があるのだと思います
 その賛同と協力は日本の国内だけに限られていません。
 国を挙げて賛意を表したコスタリカは、日本国民とコスタリカ国民にノーベル平和賞をとノーベル委員会へ推薦したほどです。が、かつて日本が侵略し、暴虐の限りを尽してたアジア諸国の人びとの間に広がった賛同の輪は決して忘れられません。
 とりわけ、いち早く賛意を寄せられたのは韓国の国会議員をはじめとする心ある人びとでした。その代表格にあたるのが、尹さんです。

 尹さんはインターネットで私たちの集会のあるのを知ると、韓国から駆けつけてこられます。そして一緒にノーベル平和賞発表リアルタイムの動画を視聴します。今年は先日19号台風上陸前夜の10月11日でした。小田急線が運休になるのを避けて私たちやメディア関係の記者たちは、発表の動画を視ただけで、集会を止めて解散しましたが、尹さんも1~2の記者の短い質問に応じて、早々に都内の宿に引き揚げていきました。
 それでも、尹さんは12月5~6日に韓国で開催の「平和フォーラム」への日本からの参加呼びかけは忘れませんでした。私たちは既に何回韓国の平和集会に参加して来たでしょうか。現地では小森陽一さんの講演を聴いたり、自らレポートもして来ました。みんな日本語に堪能な尹さんの呼びかけに因るものです。こうして、私たちは尹さんを通して、キャンドル革命に成功した韓国の人びとの北東アジアへの平和の意思を知ることが出来ているのです。だから「冬のソナタ」の愛の物語や「道」の白磁文化の物語が忘れられません。この友情を永遠にです。
                                  
  2019年10月23日                  
                                  
     落 合 正 行







2019年10月11日金曜日

2020年度も推薦継続!



2020年度のノーベル平和賞候補に、「憲法9条を保持する日本国民」を推薦してくださるご連絡いただきました。感謝です。

●尹載善氏(翰林聖心大学教授・行政学)


     戦争させない憲法9条を守り、活かし、世界に広めていきましょう!

2019年10月9日水曜日

安保法制違憲訴訟のネット署名を印刷して東京の訴訟団に郵送しました!

皆様

いつもありがとうございます。
本日10/8時点で、ネット署名とコメントを印刷して東京の訴訟団に郵送しました。
10/15に弁護団を通して、東京地裁に提出予定です。

また、神奈川の違憲訴訟は10月31日に横浜地裁で予定されています。裁判の後、弁護団を通して署名を提出する予定ですので、どうか賛同の輪をさらに広げてください!
小さな声を積み上げて、司法としての本来の役割を果たしてくれるように励ましていきましょう!


2019年10月1日火曜日

安保法制違憲訴訟の署名にご協力お願いします。

皆様、
憲法を現実の社会で活かすために、私たちは、安保法制違憲訴訟を応援しています。11月7日に東京地裁で判決が予定されています。本署名を東京地裁(10月上旬)と横浜地裁(10月末)に提出を予定しております。
どうか、署名がまだの方がいらっしゃいましたら是非ご覧下さり、ご協力いただけましたら幸いです。コメントも印刷して提出していただきますので、どうかどんどんコメントも記入お願いいたします!

https://www.change.org/p/no-anpo-yes-peace

2019年9月5日木曜日

【安保法制違憲訴訟・横浜地裁】

いよいよ重要な局面に差し掛かって来た。

9月5日(木)11時に横浜地裁で行われた「安保法制違憲訴訟」の第10回口頭弁論を傍聴した。この日は10月31日に行われる尋問の原告と証人を決定するということだった。弁護側から配られた資料を読みながら聞いていた。裁判長と弁護士の間で真剣なやりとりが行われていたが、私にはよく分からなかった。


終了後、11時45分から「波止場会館」で裁判報告集会が開かれた。ここで次回この裁判で尋問される原告と証人の重要性がわかった。原告で証人に決まった一人に金子富貴男氏がいた。爆音被害の訴訟で原告団長もした方で私も知っている人だ。憲法違反の「安保法制」が強行採決されて、これが施行されるようになり、相模原や横須賀の基地がどのように変わり、変えられて来ているかを証言するようだ。

私はすでに映画「沖縄スパイ戦史」や全国的に強化されて来ている基地の状況から危機感を深めている。先の戦争では日本は沖縄を捨て石にしたが、今は日本全体がアメリカの捨て石にされようとしている。そのことを安倍首相は本当に分かっているのだろうかと危惧している。知った上でアメリカの言いなりになっているとしたらことは重大だ。

話を戻すと、証人の人選をめぐる裁判所側との調整はなかなか緊張をはらんでいる。例えば志田陽子(憲法学)、半田滋(東京新聞論説兼編集委員)、宮崎礼壹(元内閣法制局長官)氏はすでに前橋地裁で証人尋問が実施されている。横浜でも同じ人間の証言は不要ではないかと裁判所側は言う。それに対し弁護側は同じ人間ではあるが、限られて時間内での証言は限られていることから、その必要性を主張する。より詳細な証言が裁判の記録として残ることが重要なのだと思った。これを知ったことも今回の収穫だった。

今回裁判所に提出した膨大な提出書証(弁護士さん達の労苦の結晶)の説明や全国で展開されいる「安保法制違憲訴訟」の状況についての説明もあった。今回の裁判で最も重要な点は先ほども触れたが、「安保法制」が施行されて以後の戦争への準備態勢が急速に進んでいることを国民の前に可視化することにあるのだった。

地裁から高裁に移っている東京や札幌の例。東京でも「女の会訴訟」や「国賠事件」もある。前橋地裁は年内結審の予定。釧路地裁、大阪地裁もあり全国で広範に戦われている。現職自衛官の原告訴訟は最高裁で差し戻し判決が出て、現在も闘われている。

こうした一連の闘いの中で次回横浜地裁が山場を迎える。一人でも多くの傍聴支援をお願いしたい。

次回横浜地裁10月31日は午前中11時から始まります。午後は13時30分から16時迄です。詳しくは後日連絡があるということだった。(石垣義昭記)

2019年8月12日月曜日

【拡散希望】 「表現の不自由展・その後」の再開を求める署名運動へのご協力のお願い

ご賛同くださっている皆様
ただいま、「表現の不自由展・その後」の再開を求める署名が、知っている限りで2つ立ち上がっております。平和と自由を守るために、どうか両方の署名に賛同の声を共にあげていただければと思います。

「あいちトリエンナーレ2019」の企画展に対する河村名古屋市長など公権力の介入に抗議し、企画展の再開を求めます
(署名集約の期限: ネット署名 8月14日、24時で締め切り → 8月15日に記者会見を予定しているそうです! ぜひ、ご協力お願いします。)
署名サイト↓
http://bit.ly/2YGYeu9
署名サイト↓
http://chng.it/9HMhYBxq6T

平和と自由を願いつつ、それぞれの場から頑張っていきましょう!よろしくお願いいたします!

2019年5月27日月曜日

【署名のご案内】 緊急!石垣島にミサイル基地はいらない! 南の楽園を守るため配備の中止を求めます!

皆様へ

いつもご支援ご協力心から感謝申し上げます。
早速ですが、「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」  がネット署名を立ち上げております。
よろしければ、ぜひ、ご一読いただき、ご賛同と拡散などしていただけましたら幸いです。

ネット署名が拡散されるだけでも、問題の共有とそして根本的な解決に向けての協力が得られていくと思います。
どれも地道な活動ですが、声を出すことをあきらめず、軍事力によらない平和的解決のために、それぞれの思いと力を合わせて頑張っていきましょう。

ネット署名サイト
よろしくお願いいたします。

2019年5月24日金曜日

『軍隊のない国コスタリカ から学ぶ ~ロベルト・サモラ弁護士を招いて』 ※<名古屋講演は、会場(場所)が変わりました。> 



憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会ニュースNo.20でお知らせしました68日から予定されていたコスタリカの元大臣オットンソリスさんが残念ながら、来日できなくなってしまいました

しかし、ソリスさんに替わって、同じコスタリカからロベルト・サモラ弁護士が来てくれることになりました。



ロベルト・サモラさんは、2003年の米国のイラク派兵をコスタリカ大統領が支持したことについて、「違憲だ」と憲法裁判所に一人で訴え勝訴した大学生(当時)です。映画「コスタリカの奇跡」では、熱っぽく語っていた青年弁護士がロベルト・サモラさん(37才)です。歯に衣着せず、舌鋒鋭く、コスタリカ・日本、国際的な視点についても語ってくださるものと思います。

全国の日程については、変更なく、ロベルトさんがゲストとして集会は開催されます。

6 8() 14:0016:30    東京講演会      (於:聖心女子大学4号館 聖心グローバルプラザ)
6 9() 13:3016:30    名古屋講演会    (於:東別院会館 1F会議室 )
610() 18:00~       山口講演会      (於:山口市民会館小ホール)  
611() 18002030  長崎講演会      (於:長崎県歴史文化博物館ホール) 
614()  11:00~13:30     院内集会   (於:衆議院第一議員会館)





<名古屋講演は、東別院会館内の会場(場所)が 1階会議室 に変わりました。>
 
以下名古屋講演のお知らせです。



 『軍隊のない国コスタリカ から学ぶ

         ~ロベルト・サモラ弁護士を招いて』



 201969()13:3016:00 (開場1300



 東別院会館 1階会議室(地下鉄名城線『東別院駅』4番出口より西へ徒歩3



1. DVD「コスタリカの奇跡」上映(15分)

 2. 講演: ロベルト・サモラ弁護士

 3. ショートスピーチ: 川口創弁護士



 名古屋高裁のイラク派兵違憲判決とコスタリカでの違憲判決について」

 4. 対談:ロベルト・サモラ弁護士 × 川口創弁護士



 【主催】 ロベルト・サモラさんを招く実行委員会(代表:池住義憲)

     (電話 090-4217-6381 メール ikezumi@mtb.biglobe.ne.jp )



 【参加費】 1,000円(学生以下無料)



※名古屋講演の会場(78名収容)が小規模のため、入れない恐れもあります。






2019年5月22日水曜日

感動的だった横浜地裁での弁論!


〜安保法制違憲訴訟第9回口頭弁論〜


425日(木)安保法制違憲訴訟第9回口頭弁論が101号法廷で開かれ、裁判長の交代に伴う弁論更新がありました。弁論更新というのは新しくこの訴訟を担当することになった裁判長にこの訴訟がどういう内容のものであるかを理解してもらうために直接口頭で訴える手続きのことです。新しい裁判長は関口剛弘という人でした。その裁判長に 原告側の弁護士がリレー方式でこの訴訟の主旨、意義を熱く訴えました。

私(石垣)は前回初めてこの横浜地裁での違憲訴訟を傍聴し、今回が二度目でした。にもかかわらず、下車駅を間違えて地裁に着いた時は毎回行われている傍聴券の抽選時間ギリギリでした。やっと間に合ったのに抽選には外れてしまいました。私ががっかりしていると原告で毎回出ているという女性が傍聴券を譲ってくれました。前回のは白でしたが、今回のは黄色でした。入り口でその傍聴券を示すと、係から原告席という紙の貼られた席に案内されました。

11時、定刻に裁判官が入廷し始まりました。被告(訴えられた)国側の代理人からの発言はなく、原告(訴えた)側からの代理人(全員弁護士)の発言に終始しました。1、新安保法制の違憲性(石黒康仁) 2、原告らの権利(齋藤宙也) 3、新安保法制法の適用の実態(福田護) 4、日本の軍事国家化の危険(福田護) 5、原告らの被害(関守麻紀子) 6、安保法制違憲訴訟の意義(伊藤眞)の6人です。

現在、全国で1685名の弁護士が代理人となり、東京、福島、高知、大阪、長崎、岡山、埼玉、長野、神奈川、広島、釧路、鹿児島、福岡、京都、山口、大分、札幌、宮崎、群馬、沖縄、山梨、名古屋の22の地方裁判所で25の裁判が提訴され、原告は全国で7675名に及んでいます。

~違憲訴訟の意義~
今回の原告代理人の話を聞いてこの訴訟の意義を改めて理解し深めることができました。一つは「安保法制」は国会の議事録にも当初「議場騒然、聴取不能」と記録されるような状態で強行されたものであること。この時の参議院の特別委員会では地方(横浜)の公聴会の報告も総括質問もなかったということ。こうした不当な成立過程を国民は忘れてはいけないということでした。

二つ目は日本を戦争のできる国にする「新安保法制法」を裁判に訴えてでも阻止しようとする原告たちの戦争体験の記憶であり、これを引き継ごうとする決意です。原告の一人ひとりがそれを陳述することの大切さ、それを裁判所内にとどめないで日常的に生活の中で語り継いでいくことの必要を思いました。

この日の裁判で貴重な成果があったことがわかりました。原告側が要請していた証人の尋問が認められたことです。今後の予定として、627日(10:30〜)訴訟進行協議、95日(11:00〜)第10回口頭弁論、この日に証人は、誰で、どの位の時間をかけるかが正式に決定されます。1031日(午前11:0012:00、午後13:3016:00)証人及び原告本人尋問の日程が入りました。前回のニュースにも書きましたが原告側が申請している証人宮崎礼壱氏(元内閣法制局長官)、半田滋氏(ジャーナリスト)、前田哲男氏(軍事評論家)、今井高樹氏(日本国際ボランティアセンター理事)、飯島滋明氏(名古屋学院大学教授、憲法学・平和学)、青井未帆氏(学習院大学、憲法学)のなかから原告側が指定する証人及び原告本人の尋問が行われます。

札幌地裁においては原告側の要請を何一つ取り上げることなく原告敗訴の判決を言い渡しています。それに比して、今回の横浜地裁の裁判官の対応は一歩進めたと言えるわけです。この一歩をさらなる前進に結びつけるためにも1人でも多くの国民の「安保法制違憲訴訟」への関心を高めることが必要です。違憲訴訟を応援する署名が広がり、全国の違憲訴訟に1人でも多くの国民が足を運び傍聴されることを呼びかけて、今回の報告とします。(石垣義昭)

ネット署名サイト↓

「安保法制は憲法違反」の判決を求めます!
https://www.change.org/p/no-anpo-yes-peace


2019年5月18日土曜日

沖縄南西諸島の軍事基地の意味するもの

~石垣島からのメール~

「実行委員会ニュース」No20を発行してすぐ、今の日本の状況(安倍政権の暴走)への危機感に満ちた声が多く寄せられました。その中の一つが石垣島の現在を訴える下記のメールです。

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「憲法9条・・・平和賞を」に賛同してきた関係から「安保法制違憲訴訟の署名」の呼びかけを受け取りました。お忙しい中本当にご苦労様です。
私も安保法制成立の際には悔しい思いをしました。大変なことだと思いました。
やはりじりじりと効力が発揮され、防戦ばかりです。
ボロボロでも憲法9条があるうちに何とかしないといけませんね。
この署名にも協力したいのですが、
同封の実行委員会ニュースNO.20の表紙にある、「沖縄県民・・・示すもの」の中に、辺野古があっても南西諸島自衛隊配備ついては記述がないのが気になりました。

ものすごい勢いで島々が要塞化され、米中の覇権争いの矢面に立たされています。辺野古は目くらましで、南西諸島配備のほうがメインだという人もいます。

<限定戦争>
敵国(中国)に島が一度占領されたら水陸起動団が援軍に来て島を取り返すという地上戦が米軍と自衛隊で演習されています。与那国は2017年にすでに配備され、奄美、宮古の開所式が今開かれています。石垣も反対を押し切るように着工されました。どうぞ調べてこのことを伝えてください。

沖縄戦のように南西諸島を日本の防衛のもとに捨て石にしないでください。
私は移住者ですが、この自然豊かな宝の島々を守ってほしいと思います。
軍需産業や軍隊の生き残りや利権のために犠牲にしないでください。
安保法制で自衛隊は米軍の指揮下に入りました。手足のように使われます。
自衛隊は災害や敵から島民を守ってくれるは嘘です。
石垣島では比較的反対者が多くてがんばってますが、強大な権力の前では時間の問題です。
どうぞ「南西諸島自衛隊配備」などでお調べになってこの問題も取り上げてください!
石垣島の一島民より。(石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会会員)

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拡大する違憲状況

このメールが指摘するように、日本国民のほとんどが急速に進む「沖縄南西諸島の軍事基地」の現在を知らないでしょう。岩波書店発行の雑誌「世界」が3月号で「拡大する違憲状況」の特集を組みこの問題に触れています。関連記事だけ紹介します。

◯ルポ・軍事列島 第6回 南西諸島——知られざる複数の基地建設・・・池尾靖志
◯軍事化される島々(座談会)
   清水早子(ミサイルいらない宮古島住民連絡会)
   上原秀政(石垣島に軍事基地を作らせない市民連絡会)
   高橋千恵(与那国島の明るい未来を願うイソバの会)
   上島 啓 (奄美市在住)

この座談会を読むと、島々に作られているのはほとんどが自衛隊基地です。いったん衝突があった時には米軍の指揮の元、自衛隊が戦闘の矢面に立たされる構図も見えてきます。

村長の中には過疎化対策として自衛隊員とその家族の移住を歓迎する人もいるとのことで、そのための基地建設もやむなしということのようです。そのために島の観光資源が損なわれたり、それまで島の住民が築いて来た町づくりが削がれているというのです。本末転倒ではないでしょうか?

当然のことですが、島は離れているために連帯して運動を起こすことが難しいということです。この座談会も貴重な情報交換の場になったそうですが、困難な中、工夫して情報を交換し運動の輪を広げているということが伝わって来ました。

北東アジアの平和構築こそ目指すべき道

政府も中国や韓国や北朝鮮との対立を煽り、緊張関係高めるのではなく、外交交渉を通じて北東アジアの平和構築にこそ力を注ぐべきではないでしょうか。その先にこそ拉致問題の解決もあるのではないでしょうか。

そもそも島々に建設している基地の建設資金で、それぞれの島の観光資源や産業、教育の充実を図るならば過疎化現象を防ぎ、島の人々の暮らしを安定させることができるのではないでしょうか?

今回、石垣島からのメールを読み、沖縄の問題は日本民全体の問題と改めて思いました。前号でも書きましたが、安倍政権はトランプ氏のいいなりで戦闘機の爆買いをしたり、ミサイル攻撃に備えるためと言って高額な迎撃装置の購入を決めています。これらの戦闘機やミサイル迎撃装置を使いこなす隊員の育成と装置の維持や修理には何兆円にものぼるお金がかかるのですが、それらは将来に渡って国民の負担として重く圧し掛かってくるのです。

沖縄だけでは無いのです。安倍政権の導く先に日本国民の未来がないことを1人でも多くの国民が気がつくことが必要です。最近、特にテレビ番組のチコちゃんの言葉「ボーっと生きてんじゃねえよ」にギョッとすることが少なくありません。(石垣義昭)